Vol.3 花より背景が大事(背景をぼかす)
写真の花は、ナルシスです。撮影地はスイス・モントルー周辺の低い山や丘陵です。5月下旬が最盛期で、満開になると山麓から眺めても白く見えることもあります。花の大きさは10cmぐらいあるので、マクロレンズなどを使わずに撮影ができます。花を写す場合、当然きれいで汚れやシミなどがない花を探します。そして背景がきれいな所を探します。望遠レンズを使い、花の背景をボカして写します。目障りでない程度に背景にアクセントになる色や、形を入れ込みます。背景に目障りな色や形が入った場合、その写真は台無しになってしまいます。背景は花よりも大事な被写体なのです。その時の、F値は開放値(使用しているレンズの一番少ない数の値)やシャッタースピードは風が少し吹いていても止まる程度の125分の1秒以上で写します。
◆ カメラ:キャノンEOS5D MarkII ◆ レンズ:EF300ミリ ◆ F値:F4 ◆ シャッタースピード:1/500秒 ◆ ISO感度:400 ◆ WB:くもり (2012年4月27日更新) |
小川清美先生と行くスイスアルプスツアー
小川清美先生の撮影会
小川清美(おがわきよみ)プロフィール
1949年東京杉並に生まれる。ガラス工芸デザインを経て、1980年に独立。1989年からスイスアルプスの撮影を本格的に始める。2008年5月コダックフォトサロンにて「移ろう季節スイスアルプス」の個展を開く。スイスアルプスの麓に住む猫の撮影も、5年ほど前から写し始める。旅行会社主催のスイスアルプスハイキングならびに、小川清美写真教室主催の個人旅行でガイドならびに写真講師をおこなう。
著書「スイスアルプスの旅」「スイスアルプスを撮る・やさしく学ぶ写真教室」(新潮社)、「スイスアルプスハイキング案内」「ヨーロッパアルプスハイキング3冊」「四季を楽しむスイスアルプスハイキング」(山と渓谷社)、「ねこ・スイスアルプスからの便り」(コダックフォトギャラリー)がある。